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45.新生活 #2
「あとは何しようか?」
梱包材と段ボールを片付けながらリュウが言った。
私はぐるりと部屋を見渡した。一応物が納まるべきところに片付いた。和室は押し入れも畳も拭いて布団も収納出来た。
小さなリビングにはフローリングにい草のラグを敷いた。和風というよりアジアンテイストでなかなか涼しげで気に入った。
そこに冬はこたつとして使うテーブルとラグに合わせて買った座布団兼クッションを2つ置いた。
「一応片付いたみたいだよね。今何時?」
私はリュウに聞いた。
「19時10分。」
リュウは腕時計を見て言った。
「え?もうそんな時間?陽が長くなったからまだ18時位かと思った。シャワー浴びてご飯食べようか。」
私は買ってきた荷物からバスマットとタオル類を出した。風呂掃除をした時にシャンプーやリンス、お風呂用のタオルや洗剤、スポンジなどは出したはずだ。
「俺ゴミ出してちょっとコンビニ行ってくる。なんかいる?」
私は一瞬考えてから
「大丈夫みたい。思いつかない。」
と答えた。
「じゃあ行って来るね。」
「いってらっしゃい。」
リュウは玄関から出た後、キッチンの窓から顔を覗かせていたずらそうに手を振って通り過ぎた。私は照れて笑いながら手を振り返した。
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