49.横取り

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「お先にねー」 数人のパートの人達は逃げるように去っていった。 「本気なの?」 正美は震えている自身の手を見ていた。 「うん。」 私もそんな正美を見ながら答えた。 「どうしてよ! どうしたらこんなひどい仕打ちが出来るの? 友達だと思ってた。 シンだってアヤだって、池田のこともミオのことも慕ってたのに。今、あの子達がなんて言ってると思う?」 正美は涙に濡れた目で私を睨んだ。 「『池田とミオちゃんは最近どうして来ないの?つまんないな。』って言われて説明のしようがない私の気持ちがわかる?」 何も言えなくなってしまった。 ただ俯くことしか出来なかった。
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