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淡々と箸を動かして食べ物を口に運んだ。とてもリラックス出来る空気ではないが慣れるしかない。
佐藤たちは子供の話や売場の話、一般的な世間話などをしていた。私もそんな話を聞き流しながら適当に相槌をうつ。いつものことだ。
時には、メンバーの誰かがその場にいない誰かと衝突したりすると悪口とまではいかないにしろ、いない相手がそしられたりすることはあった。
あとは話題としてセンセーショナルな噂話。
誰と誰が険悪だとか、誰と誰があやしいだとか。
私がいなければ話題の中心だったに違いない。私が来るまでは渦中の人だったのだろうと思った。
「あら?今日は早いんじゃない?」
私の隣に来た婦人服売場の並木に向かってレジの塩沢が声をかけた。
「そう。今日はね、早番で入ってるのよ。」
並木は塩沢や佐藤などのレジのメンバーとべったりではない。
仲が悪いわけではないが、食事が済めば煙草を吸いに立つし、ちょっと肌合いが違う感じだ。
私個人的にはさばさばとした感じが話しやすく苦手ではなかった。
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