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昼休みに食堂で正美を探した。
日替わり定食をトレイにのせると正美のほかに数人が同じテーブルにいるのを見つけてそこに向かった。
「ああ、ミオ。久しぶり。どうしたの?」
正美が私を見て言った。
「具合悪かったの?」
「暑いからね。夏バテじゃないの?」
同じテーブルにいた30~40代位のパートの人達が口々に言う。
「ちょっとね…」
私は曖昧に濁した。
話題はすぐに新店と異動の噂話になった。店長が新店に行くんじゃないかとか、いや、あの人はきっと行かないわよ、うまく逃れるわよ、とか、あら、ある意味チャンスだから逃さないわよ、云々。
私は正美に帰りに少しだけ話せないかと聞いた。
「何?何の話?ドキドキしちゃう。」
皆に向かって笑いながらそんな風に正美は言った。が、おそらく内心では話の見当はついているのだろう。
「じゃあ上がったら外にいるから。」
後から来た私よりも先に食堂を出る正美に私はそう言った。
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