52.対面 #2

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52.対面 #2

「ちょうどいい。せっかくだからミオの新しい恋人にも同席してもらうか。」 悟の目がひたとリュウに据えられた。口元は口角を釣り上げニヤリと笑っており、その目は闇の中で静かに燃える松明のようにぬらぬらと輝いていた。 リュウはその目をしっかりととらえていた。ひるみもせず敵の挑発を受けて立とうと言うように睨んでいた。 「逃げるつもりはない。もう金輪際、ミオを侮辱するな。」 リュウは私の手を取ると私の指と自分の指をしっかりと絡め、私とそしてリュウ自身を奮い立たせるようにぎゅうっと握った。
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