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「もう行こう。」
私は立ち上がった。リュウも立ち上がりかけた。
「待てよ。まだ話は終わってないよ。」
悟が私の腕をぎゅっと掴んで止めた。
「座れよ。」
静かだが絶対服従させてやるといういつもの悟の命令口調。私は条件反射的に命令に従った。
リュウも私に倣って腰を下ろした。そんなリュウを悟はあからさまな侮蔑の表情を浮かべて眺めていた。
「行くな。」
犬か猫でも調教させるような口調で悟は言った。
「今から来い。」
「いや!」
私は悟を睨んだ。
「待ってたんだから来い。」
「行かない!」
今度は悟が私の腕を掴んで席を立ち上がろうとした。
私は腕を振りほどこうともがいた。
「離せよ、嫌がってるじゃないか。」
リュウが立ち上がって悟を制止しようとした。
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