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「お母さん、わざわざ言ってくれなくてもリュウとのことを認めてくれないのはわかってる。
お母さんがお父さんとの間に入ってくれないのもね。
わかってたからお母さんには居場所も何も教えたくないの。
でも住所は言っておくべきだから。後で家に電話してお父さんにも話します。
お願い、今は帰らせて。」
私は母に言った。
「電話じゃなく、一度うちに帰ってきなさい。池田さんも連れてきちんと話してちょうだい。
いったい、何を考えているのか。これが駄目なら次はこれ、なんて次々と男性を渡り歩いて同棲みたいなことをするような放埒なことをして。恥ずかしい。そんな淫らで自堕落な女に育てた覚えはないわ。汚らわしい。まるで淫乱な娼婦よ。あなたのしている生活は。」
「帰る」
私は立ち上がった。
リュウも立ち上がって母に頭を下げた。
母は私が手に持っていた伝票を脇から取り上げ
「たとえジュース一杯でもあなたがたの誰にもごちそうになんてなりたくありません。」
そう言って会計に向かった。
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