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悟はこの状況を予測していたに違いない。私は悟に対して怒ってもいたけれど、同時に馬鹿馬鹿しくもなってきた。
目の前のアイスコーヒーにミルクとガムシロップを入れ、ぐるぐるとかきまわした。
「悟さんから電話があったのよ。」
またしても沈黙を破って母が口を開いた。
「引っ越しするからあなたの荷物をどうすればいいかって。
あなたには連絡がつかないから困ってるってね。」
私は顔を上げて悟を見た。
悟は私に連絡出来たはずだ。
「そんな連絡もらってないけど。」
私は悟を睨んだ。
「電話したよ。」
悟からの電話は絶対になかった。悟は平然と嘘をついているのだ。
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