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「ここにいるべきもう一人はどうなったのよ。お母さんじゃなくね!」
悟はシラを切るつもりか、何食わぬ顔で黙っている。
「恵とお腹にいるあなたの子供はどうなったか聞いてるの!そもそも、それが始まりでしょ!」
母は訳がわからないといった表情で黙っていた。
「私のことをとやかく言う前に、ずっと付き合い出した頃から恵と二股かけてた自分を責めたら?」
私は悟をなじった。
「あいつとはきっぱり別れた。」
悟はそれがどうしたというように平然と言ってのけた。
「恵さんって、あの恵ちゃん?」
母が不審そうに聞いてきた。
「そう。恵よ。私の友達の。
ずっと長いこと裏切られてたのは私の方。
恵は悟の子供を妊娠してるのよ。」
あの時の悔しさがよみがえった。
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