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58.異動 #2
その話を聞いたのは午後の15分休憩の時だった。
リュウはなんだか上の空といった様子でぼんやりと缶ジュースを飲んでいた。
「どうしたの?具合悪いの?」
ただ疲れているだけかもしれなかったがいつもと様子が違う。
「いや。平気。」
そういうとまたぼーっと窓の外に目を向けたまま何事か考えているような様子だ。
「なんか変だよ。
具合悪いなら早退したら?」
私はなおもしつこく言ってみた。
リュウは大きく息を吐いた。
「なんでもないよ。」
そういうリュウの顔はちっともなんでもなくなさそうで、ふてくされた、思春期の悩める中学生のようだった。
それ以上聞いても何も話してくれそうもないので放っておくことにした。
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