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「あの時、池田がミオを呼んで飲みたいって言った時に気づけばよかった。あのあと一人で考えてたらなんで気づかなかったか不思議で。」
私は黙って正美の言うことを聞いていた。
「ミオはミホによく似てる。名前も似てるけど。」
「ミホって?」
「そうか。ミオは知らないのか。池田から聞いてないの?」
試されているような気がした。私は黙っていた。
「小野田美保。池田が付き合ってた子。」
(オノダミホ…この前言ってた人のこと?)
そのあと正美が言ったことは動揺して意味がよく理解出来なかった。
「考えてみればあんた達って不思議な巡り会わせ。別に不思議でもないのかな?ミオがミホに似てるんだから。」
「不思議な巡り会わせって?」
「ミホは鈴木さんとも噂があった。鈴木さんには別に彼女がいたけどね。池田も鈴木さんとミホのこと気づいてたと思う。
つまり、鈴木さんと池田は女の趣味がかぶるってことでしょ?ミホもそう、ミオもそう。似てるからね。」
正美はじっと私を見た。私に浮かぶショックの表情を読み取るとすっきりしたように雨の中に去っていった。
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