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いきなり一人で土砂降りの中に放り出された気分だった。
しばらくその場で正美の言ったことの意味を考えていた。
社員通用口のドアが開いてレジのパートの数人が出てきた。
「あらぁ、すごく降ってるわ。どうする?」
「止みそうもないね。」
「行くわ。急いでるから。」
みんなが口々に言っていた。
「川島さんは?行かないの?」
誰かに聞かれた。
私が答えるより早く誰か、多分塩沢が言った。
「やあね、彼を待ってんのよぉ。」
「あらぁ、いいわねぇ。お先にぃ。」
みんなが目配せでもするように去っていった。
「お疲れ様でした。」
私はぽつりと言った。
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