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「お友達よ。」
母は釘をさしておくといった感じに言った。
「あら。こんなに若くて素敵な青年がそばにいたら誰か紹介なんてできないわ。
ずいぶんとお若いのね?おいくつ?」
伯母は巧みに詮索しようとしていた。
「21です。」
リュウが馬鹿正直に答えた。
「まあ、21歳!学生さん?」
「いえ、社会人です。」
「まあ。いいじゃないの?ね、ミオちゃん。今は少しくらい女の方が年上だって関係ない時代ですもの。お若いっていいわねぇ。」
伯母が本心から私とリュウの関係に賛成しているわけではないくらいわかっていた。心中は眉をひそめているのだ。そういう価値観の人だ。大学生でもない、私よりはるかに年下の男の子とこの歳になって付き合っているなど、愚の骨頂と考える人だ。
私はこのわざとらしい会話に嫌気がさしてきた。
「お義姉様。」
目配せで合図でもするかのように母が言った。その目は伯母に向かってそれ以上言わないでくれと訴えているようだった。
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