64.ただ、愛してる
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15分ほど歩くと川沿いの土手に出た。 越して来る前に住んでいた所からも土手は近くてリュウとよく行った。こちらに越してきてからはまだ来ていなかった。 川までは手をつないでほとんど黙って歩いた。 この時間になると風が秋を感じさせる。秋の日は釣瓶落としという言葉の通り、あっという間に真っ暗になる。その前のつかの間の夕暮れの時間。 何も言葉を交わさなくても、私の手をにぎりしめるリュウの手から強い思いを感じていた。
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