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「今日、ミオの家に行ってミオの家族と会って、俺、無理だって思った。俺はこの中には入っていけない、違いすぎるって。」
ただ聞いているしか出来なかった。リュウが離れていってしまうのがこわかった。こわくて何か言おうとしても唇が震える。
「何がこたえているかって。」
リュウは私の手を離しこぶしを作って力を込めた。
「自分がみじめに思えて仕方がないことだよ。
ミオの家族といるとき、自分と自分の育ってきた世界がどれほど掛け離れてるか思い知らされた。初めてみじめに感じた。
それが悔しくて、そんな風にみじめに思ってしまった自分が情けなくて。親が一生懸命生きてきて俺を育ててくれたことをそんな風に思ってしまう自分に腹がたって。
それがこたえてるんだ。」
リュウの淡々とした口ぶりとは裏腹に、そのこぶしは爪の跡が残ってしまいそうなほどの力が込められていた。怒りや悔しさなんかを堪えているのだろう。
そんなリュウの様子がたまらなくて涙が滲んできた。リュウが涙にぼやけて見える。
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