62.ブルジョアジー

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「ありがとう。」 私はリュウに言った。 結局、久しぶりのデートはお預けになり一緒に病院に行くことになった。 翌日は早く起きてとりあえず実家に行けば兄が病院に連れて行ってくれるというので、実家の最寄り駅でお見舞いに花と本を買い家に向かった。 「せっかくデートのつもりだったのにごめんね。」 「デートしてる気分だよ。不謹慎かな?」 リュウはにっこり笑って私の肩を抱いた。 「ありがとう。」 私もリュウを見あげてもう一度言った。 「綺麗な花束だね。」 リュウが言った。 「ミオに似合ってる。花に負けないくらいミオも綺麗。 こんな美人が俺の彼女なんて…俺、本当ラッキー。」 「なんだかそこまで言われると…嘘っぽい。」 照れ隠しに私は言った。 「本当だよ。大好きだよ、ミオ。」 リュウは空いている方の腕で私をぎゅっと抱き寄せた。
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