62.ブルジョアジー

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「ここ?」 門を開けようとしている私の隣でリュウが言った。 「そう。」 「すごい…」 リュウが驚いているのはわかった。 都内の一等地ではないが、私の実家は元は母方の祖父母の持っていた土地で敷地はこのあたりの住宅にしては広い。 建物も手入れの行き届いた瀟洒なもので、私と兄に手がかからなくなった今は母がまるでモデルハウスのように外観も内装にもこだわっているのがわかる。実際、ここを建てた時の建築会社の紹介でモデルハウスのように時々内覧をしに来る人もいるらしい。 私は門を開けて一分の隙もなく完璧に仕上げられたイングリッシュガーデンのような庭に入っていった。 「びっくりした。 いまさらだけど」 リュウが私の後について来ながら呟いた。 「ミオってお嬢様なんだね。」
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