6人が本棚に入れています
本棚に追加
「何飲むかなぁ?まだビールでいいや。」
私は冷蔵庫から缶ビールを出してきて渡した。
「サンキュ。」
プルリングを開けながら真奈美が言った。
男たちは寝かかっていた。リュウは完全に床に寝そべってしまい、大倉は座ってはいるが酔っ払って目が据わっていた。今日はここで雑魚寝だろう。
女二人の方が酒が強いので飲むとこうなることはよくあるパターンだった。
「ケンゴが出てったあと、いろいろ考えてさ。
アタシ、やっぱり惚れてんの。ケンゴじゃないとダメ。
惚れた男にやめてくれって泣かれたら辞めるしかないじゃん。だから私が辞めてケンゴは夜もバイト始めたんだよ。」
真奈美が脇にいる大倉にしなだれかかると大倉は真奈美にディープキスをした。手は胸をまさぐり始める。
「ちょっと?何始める気?
シタイなら自分ちでしてよ。」
私は大倉に言った。
真奈美は大倉の体を押しのけた。
「ったく、酔っ払いめ。」
大倉はごろりと真奈美に膝枕する姿勢になった。
「ケンゴはさ、男としてどうこうってより前に一人の人間として好きなんだよね。一目置けるっていうか。
恋人としていいかどうかはまた別。恋人としてならもっとカッコよくて私だけに優しい男がいい。ケンゴはみんなに優しいんだよ。あんまりそうは見えないけど。」
真奈美は大倉の髪を撫でながら言った。
「だよね。優しいよね。皆に。」
私は同意した。
最初のコメントを投稿しよう!