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「あなたにとっては受け入れられないかもしれないけど。その写真に写ってるのお父さんでしょ?
つまり私たちは姉妹。」
小野田は私をちらりと見ながら言った。
「私、あの時、小杉の店ですれ違った時にわかったの。これは偶然なんかじゃないって。絶対あなたと出会ったことは運命だって思った。」
私の思いとは裏腹に小野田の語り口には熱がこもっていた。
でも、聞いている私の方はどんどん体温を吸い取られて冷えて固まっていくような気がした。
頭の中で必死に否定してみるが事実は目の前にある写真が物語っていた。紛れもなく若い頃の私の父親とそっくりな女の子。
父が双子でもない限り否定しようにもし難い事実。
それに父は私が幼い頃からずっと多忙で不在がちだった。いつも出張や残業ばかりで父親が不在なのは当たり前だった。単身赴任をしていたこともある。
こんな事実があっても不思議ではない。
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