71.過去へ

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それよりもっと私にとっては受け入れがたいこと… 「それから同じ男に抱かれるなんて…。」 リュウがショックに強張った表情で私を見た。 「…どう?姉妹の味は?」 言った途端に後悔した。リュウを傷つけたいわけではなかったのだ。 リュウは黙って顔を背けた。 「ごめん…」 私は小さく口の中で言った。 リュウはのっそりと立ち上がって服を着始めた。 脆い土が崩れていくような気持ちで私はリュウを見ていた。 リュウにそばにいて欲しいのに引き留められなかった。 虚ろな目で宙を見ていた。私の中から生温いリュウのものが溢れて出て来た。目から涙がこぼれた。 リュウは黙って出ていった。 私は暗闇の中で静かに一人で泣いていた。
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