71.過去へ

9/9
前へ
/35ページ
次へ
どうして私とリュウがこんなふうにならなければならないのか? 布団に入ったものの眠れないままに考えるにつれ、どう考えても理不尽だという思いがしてきた。 責めを負うべきはリュウではない。リュウに罪はないはずだ。血が繋がっているなんて知りようもなかったのだから。 罪は私達の知らない過去に遡る。 私の中である決意が固まってきた。 責めを負うべき人は別にいる。罪は償ってもらおう。 どす黒い怒りがふつふつと沸き上がるのを感じた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加