72.血と膿

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会社に欠勤の連絡をしていつものように洗濯と掃除を済ませた。会社は休むがいつものペースで目の前のことを片付けていく。何かしていたほうが気が紛れていい。スーパーに向かいながら電話をかけるために持ってきたメモを出した。 何回もコールしたあとに留守番電話サービスに転送になった。ちょうどいい。小野田の声を聞かずに済んだ。 「川島です。今晩、時間を作って。無理なら私一人で行くから。19時に新浦安駅に来られるようなら連絡して。」 要件を録音してさっさと電話を切った。それから真奈美にメールした。昨晩私を心配するメールが来ていたのに返事をしていなかった。 『昨日は連絡しなくてごめんね。心配しないで。大丈夫だから。今夜は実家に行くつもり。また連絡するね。』 送信し終わったところで電話がかかってきた。小野田だった。
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