72.血と膿

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ほぼ開店と同時にスーパーに入り買物を済ませた。急いで家に帰る。カレーを作りお米をといでご飯を予約した。 できるだけできることはやっておきたかった。これからどうなるかわからないしどうすべきかもわからない。どうしたいのかもわからなかった。 少し大きめのバッグに化粧品や着替えを入れた。充電器や眼鏡なども入れる。荷造りも出来た。片付けと掃除を終えて部屋を見回した。あとは電話だけ。 「急だけど今晩そっちに行く。お父さんもいるでしょ?話があるから。」 「何?あの彼を連れてくるの?」 母は警戒して聞いてきた。 「リュウじゃないわ。お客さんを連れていくけど。」 「あら?誰なの?この前の男の子とは終わったの?まあ当然ね。釣り合わないわよ。」 母の口調からは『それみたことか』とでも言いたげな嬉々とした様子がうかがえた。 私の中にほとんど憎悪に近い感情が沸き上がってきた。
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