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「リュウじゃないなら私のことは誰から聞いたって言うんですか?」
私は詰問するように言った。
「え?鈴木さんだけど…。鈴木さんから私にそっくりな女の子が店にいるって聞いて。あ、この前会った人だってピンときたの。私、前はここの店で働いてたんですよ。」
「知ってます。」
私は言った。
「やっぱり?みんなから言われます?」
小野田は屈託がなさそうにどちらか言えば面白がっているとも取れなくないような調子で言った。
「あなたに似てるからだって言われたの。」
私はシラけた声で言った。
「何が?」
いい加減うんざりしてきた。
「リュウが私とつきあってるのは、あなたを忘れられないリュウがあなたにそっくりな私に惹かれたからだ、本当に私のことを愛してるわけじゃないって言われたってこと。」
私は突き付けるようにきつい調子で言った。
「え?リュウイチとつきあってるの?」
初耳だと言わんばかりの言い方にカチンときた。
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