72.血と膿

12/12
前へ
/35ページ
次へ
「ずっと昔から?」 私の本能が警告していた。知らないほうがいいこともある。 「そう。私いろいろ聞き出したの。昔のことを。母親に。」 小野田は言った。 「母親は始めはためらっていた。でも結局は聞き出した。私達の親の因縁の関係をね。だから私だけを責めないで。」 「責めてるつもりはないけど。因縁の関係って何よ?」 私は聞いた。 「聞きたい?」 小野田は挑発的に言った。その目はサディスティックに輝いていて私はぞっとした。 私の返事を待たずに小野田は言った。 「私の母親はパパをあなたのお母さんに取られたの。」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加