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リュウは何も言わなかった。怖くなるくらいの無言。
「…リュウ?」
「ミオ…」
思い詰めたような声でリュウが口を開いた。
「俺といるのが嫌になったの?
俺が…俺があいつと付き合ってたから…俺がミオを苦しめてるの?
どうすればいいんだろう…俺…
戻ってきてよ、ミオ。ミオがいないと俺、どうかなっちゃいそうだよ…ミオがいなくなったらどうすればいいのかわかんないよ。」
「ごめんね。」
リュウのそばにいたかった。二人で痛みをなぐさめあえばいいことなんだと気づいた。私の家族も小野田も私の人生から消してしまえば。
消すことが出来ないならせめて遠ざかっていよう。リュウがいればいい。
家族なんて私にはいらない…私に必要なのはリュウだけ…
どうしてそんなことを忘れていたんだろう。一番はっきりしていることに今、改めて思い当たるなんて…
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