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「お前の勘違いじゃないの?ただの他人の空似とか。」
兄がこの荒唐無稽な話を信じられないのは理解できた。父の隠し子なんて言われたって。兄は小野田を目の当たりにしたわけでもなければなおさら…。
私は兄の反応をいなして続けた。
「お兄ちゃんがそういうのもわかるけど本当のこと。どうしてもお父さんに会わせてくれっていうから連れて来たのに顔見たとたんに逃げ出した。お父さんは追っていったけどね。」
「そんなこと言われても信じられないな。」
兄はまだ半信半疑だ。
「だいたいなんでお前が…」
言いかけたところで車庫に車が入る音がした。
父が帰ってきたのだ。
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