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インターホンでロックが解除され門を開けて庭に入ったところで電話がなった。リュウだった。
「どうしたんだよ?どこにいるの?」
不安そうな、怒っているような声だ。
「ごめん、実家に来てる。
ご飯は作っておいたから食べて。」
「飯なんてどうでもいいよ。どうして?なんで実家に帰ったの?怒ってるの?俺に?」
リュウは興奮しているようで何か誤解しているようだった。
「ごめん、そうじゃなくて。」
私は一瞬言い淀んだ。
「彼女と一緒に来たの。小野田さんと。」
「え?」
リュウが息を呑んだのが電話越しに聞こえた。
「どういう?…っていうか、大丈夫なの?俺も今から行ったほうがいい?」
「ううん、家族のことだから。多分、大変なことになりそうだし。」
「迎えにいこうか?」
「遅くなるから泊まるかもしれない。ごめん。いろいろ考えたいの。」
「わかった。
でも必ず連絡して。」
「うん。多分これから取り込み中になるから。あとでね。」
電話を切った。
私の後ろで小野田が強張った表情で立っていた。
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