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父は黙って小野田を連れて家の方に歩きだした。
私は何も言わず父の後ろからついていった。
玄関で小野田はまた入ることを拒んだ。
「中に入りなさい。
このまま帰すわけにはいかないんだから。」
父が言った。
「もういい。いいの。もう気が済んだ。」
小野田は言った。
頑として家の中に入ろうとしなかった。
父はその場でしばらく思案していたがやがて言った。
「わかった。
そこで待っていなさい。」
父は家の中に入っていった。
母は父を睨んでいたが何も言わなかった。
父は上着を手に持つと
「送っていこう。」
と小野田に言って車を出しに車庫に向かった。
小野田は黙って父の後に従っていった。
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