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一通り落ち着いてから、騎士に当然の質問が投げ掛けられた。
勇利「…隠してること、まだあるよね。騎士さん。」
騎士「……ナンノコトカナー。」
シン「騎士、白々しいよ。」
勇利とユリオが、目を泳がせる騎士に詰め寄った。
ユリオ「誤魔化すんじゃねぇ。騎士、てめぇ名前教えろ。」
騎士「教えなくたって、騎士でいいでしょ…?」
勇利「よくないよ、それに名乗ってないの騎士さんだけじゃない。」
騎士「………うううう、じゃあ、嘆きの悪魔倒せたら教えるよ…」
ユリオ「ハァ!?」
ヴィク「………ああ成る程、そういうことかい騎士クン。」
流石ヴィクトル、何かを察したようで、勇利とユリオの肩に手を置いた。
ヴィク「騎士クン…"救世の騎士"の本名が知りたかったら、それ相応の対価を差し出せってことだよ。簡単だろう?」
君達の"エロス"と"アガペー"を見せ付けてやればいいのさ、とヴィクトルがウィンクすれば、二人は意気揚々と先を急ぎだす。
騎士「……ありがとうございます、ヴィクトル。」
ヴィク「隠していた方が面白いでしょ?ユーリ?」
小声ながら自分の名前を当てられ、騎士は肩を震わせた。
シン「騎士が追い詰められてるのは珍しいね?」
騎士「…言わないで。」
ルシ「フッ…」
騎士「笑わないで。」
速く、と急かす前方二人に注意を呼び掛けながら、騎士達も進んだ。
勇利「これが、僕の全力の"エロス"……!!!」
ユリオ「これが俺の全力の"アガペー"だ!!」
そして、嘆きの悪魔は勇利とユリオによって浄化され、一同はそれぞれの世界に戻れることとなった。
騎士「二人とも、お疲れ様。本当に綺麗だったよ。」
ピア「ピアシィ、まだきんちょうしてます……ぴああ…騎士様の笑顔も眩しい…!!」
リリィ「すけーと、とってもきれいなの!!」
ユリマル「お二人とも、かっこよかったッス!!」
口々に褒められ、勇利は照れ、ユリオは満更でもなさそうに鼻を鳴らした。
ピア「皆さんを戻す準備、できました!!」
ヴィク「…じゃあ、お別れだね。」
リリィ「さびしいの…」
寂しがるリリィの頭を撫で、ヴィクトルは優しく微笑んだ。
ヴィク「今度は、こっちに遊びにおいで。…またね。」
勇利「またね、リリィ、騎士さん、ユリマル、ピア。」
ユリオ「フン……またな。」
そして、3人が魔方陣に入って、騎士が叫んだ。
騎士「僕は、ユーリ・セラフィ!!それが本名だよ!!またね、二人のユーリ!!」
ヴィクトル、シン、ルシフェル、ユリマルが噴き出し、勇利とユリオは「はぁぁぁぁぁぁあ!?」と叫びながら転移していった。
knight on ICE?
Fin.
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