不器用な

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…あれから1ヶ月。 私は無所属のまま、ルーキー戦に出場せず、毎日のように美術部部室に通っていた。 そんななか、部室に客人が1人増えた。 エルナ「彌夜ちゃん。えのやん先輩遅いねー。まだかな?」 ミヤ「そうね…京摩先輩に限って、変なことは無いと思うけれど…。」 ……実際、とても心配だ。 あの人は、あんな外見をしてるから、同級生からも上級生からもよく思われていない。 本当は、不器用なだけでとても優しいのに。 ―――あ?んだとテメェ!? ――…本当のことだろ。バレたらあぶねぇぞ?それ。 ―――っるせぇ!! 突如、外から聞こえた怒声。 それに応えたのは明らかに京摩先輩だった。 エルナ「あれ!!!!!」 ミヤ「行こう。」ダッ 私とエルナは、一直線に走り出した。 目指すは京摩先輩。 ミヤ「京摩先輩!!」 エルナ「えのやん先輩!!」 キョウマ「彌夜!?エルナ!?何で…!?」 京摩先輩がいたのは人通りの少ない音楽ホール裏。 そこには何か液体の入った瓶を持った普通の生徒4、5人がいた。 まさか…。 ミヤ「貴女方、まさかそれ…。」 キョウマ「彌夜は知ってんだな。そうだ。肉体兼能力強化薬…所謂ドーピング薬ってヤツだ。」 エルナ「………信じらんない。」 男A「あ"ぁ"!?」 女A「ふざけんな!!」 京摩先輩がドーピング薬の存在をあっけなくバラすと、その生徒達は激昂し、攻撃してきた。 逆ギレかよカッコ悪い。
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