彼女は強いのに

4/4
前へ
/192ページ
次へ
サクヤ「……部長、聞いてくれますか?」 ユキムラ「うん。」 それから朔夜は自分が昔虐められたトラウマがあること。 その際左腕を負傷していること。 何故テニスを始めたのかなど、過去を話してくれた。 ユキムラ「……こんな小さい身体に、どれだけのことを背負っていたんだい?」 サクヤ「……五月蝿いですよ。」 ユキムラ「あ、そんな口きいていいのかな?」 サクヤ「………………。」 ちょっと弄ってみる。 ユキムラ「じゃあ……俺と付き合って?それでチャラにしてあげる。」 サクヤ「……はい!?いや、おかしくないですか!?え!?」 ユキムラ「五月蝿いよ。」 サクヤ「ーーーーーっ!!」 朔夜の顔は真っ赤だ、可愛いなぁ。 ま、返事は「はい」か「イエス」しか無いけどね。 サクヤ「……本気ですか?」 ユキムラ「当たり前だろ?」 サクヤ「………なら、いいですよ。」 目を逸らし、真っ赤な顔で言った朔夜。 案外素直に返事が返ってきて俺自身びっくりしている。 ユキムラ「ふふっ…ありがとう、朔夜。あと彼氏なんだから幸村か精市って呼んでね?」 サクヤ「え、先輩は。」 ユキムラ「………んー…まぁ先輩はいいか。」 サクヤ「じゃあ、精…市先輩///」 ユキムラ「…よくできました。」 顔を赤らめる彼女の全てが愛しくて、俺は小さな身体を抱き締めるとキスをした。 彼女は強いのに、守ってあげたくなるほど弱かった。 Fin.
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加