仲間だから

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テグ「嫌だ!!来るな!!…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ<グシャッ>」 ユキナ「…よし。ハイドレンジア、解除。」 ブシュゥゥゥゥゥッ コロン… タツミ「ガズナリアが種に戻った…。これがユキナの…。」 ラバ「いやぁ、死ぬかと思った。ってタツミ?腕…。」 タツミ「ん?あぁ、ちょっと掠ったんだよ。たいした怪我じゃ…」 ユキナ「なくない!!」 タツミもラバックも大きな声を出した僕に驚く。 でも僕は回復用の種を取り出した。 ユキナ「芽吹け、フェクリシア。」 パキパキ…… 僕の手の上で育ったフェクリシアの葉を摘み、タツミの傷に擦りあてる。 すると、 スゥゥ… タツミ「すげぇ…傷が。」 傷痕すら残さず、傷は癒えた。 ……あーあ、また使っちゃった。 この種の入手面倒なんだけどな…。 ラバ「…なぁ姫、俺、少し勉強したんだ。」 ユキナ「あ、うん。」 ラバ「その、フェクリシア?…超珍しい種なんだろ?」 タツミ「マジかよ…。」 ……そもそもガズナリア自体超級危険珍種なんだけどね。 でも、 ユキナ「うん。だけどね?僕は仲間のため…うぅん、"家族"のためなら使うことは惜しまないよ。」 精一杯の笑顔で答える。 私にとって、仲間は唯一の家族だから。 ラバ「姫……。」 タツミ「ユキナ…。」 ユキナ「だからさ。………帰ろ?」 タツミとラバックは一瞬、顔を見合わせると、僕の手をとった。 タツミ「おう!!帰ろうぜ。」 ラバ「姫は俺の大事な"妹"だからな!!」 妹……かぁ…。 ラバックがお兄ちゃんっていうのも悪くない、かな!! ユキナ「うんっ!!」 仲間だから、家族だから。 僕が戦う理由は、それで十分。 Fin.
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