暗躍青年と

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それから数分後。 ユウ「着いたっ!!」 演習場の前にいます。 1つだけ中からドギャァァンだのズバーンだの明らかにそれらしき音がするんだけど。 まぁ、あの二人だからなぁ…。 ピピッ ウィーーン 扉を開ける。 そこには案の定悠と慶さんがいた。 …この集中っぷりだと気づかれないな。 ………スゥ ユウ「悠一てめぇごらぁぁぁぁぁっ!!」 ジン「おわっ!?」 タチカワ「おっと!?」 キィンッ ボクの大声に狂った二人の手元はそれぞれのトリガーを弾いた。 は、いいんだけどそれがボクに向かってくるのは予想外。 グサッ ブシャァッ あー……意識が遠のく…。 ジン「結羽っ!!」 タチカワ「結羽ちゃんっ!?」 最後に聞こえたのはトリオンの吹き出す音と、随分と焦った声の二人の叫びだった――― 「――い!!―を――ろ!!」 「――おいっ!!」 「おい、結羽っ!!」 パチッ 悠の声がして目を覚ます。 と、同時に目の前が青一色に染まった。 ジン「結羽っ!!結羽っ!!」 耳元でする悠の声。 あぁ、ボク今、悠に抱き締められてるんだ。 ………抱き締められてるんだ!? ユウ「ちょ、悠!?放し…」 ジン「やだ。」 離れようとすると、悠は何故か力を入れた。 悠もやっぱり男、抵抗も空しくボクは悠の胸板に押し付けられた。なんかいい匂いする。 ユウ「やだ、っじゃなくてっ!!」 ジン「…で…と思ったっ…」 はい!?何て!? ジン「お前までいなくなるかと思ったっ!!」 ユウ「っっっ!?////」 こ、こいつ、何言って…!!! ジン「結羽までっ、俺の、俺の……大切なヤツまでいなくなったらっ、俺はどうすりゃいいんだよっ!!」 ユウ「ゆ……悠…!?////」 頭の中が真っ白になった。 た、大切な、ってどういう意味だよ!?
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