哀しき運命の

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バキッ ドゥシッ ゴキャッ ギャァァァァァァ… 地獄絵図。 それが少し遅れて様子を見にきたゼノの感想だった。 そして今なお、ルイン無双中である。 龍の左手は巨大化させずとも威力は絶大。 もし不意討ちされようとも龍の肉体は鋼。 そのうち、山賊の一人が彼女をこう呼んだ。 W「バッ…化け物っ…!!」 …………………、 ガシッ W「ガッ…あ…ぐ…!!」 ルイン「………。」ニコニコニコニコ 瞬間、ルインの左手はその山賊の首を掴み、持ち上げていた。 言葉こそ発しないものの、その顔は笑顔。 天使のような笑顔だった。 W「は…離、せ……化け、物…!!」 ゴキッ ルイン「……………。」 男の腕がぶらり、と垂れ下がる。 ルインは男がもう動かないのを確認すると、 ポイッ と裏口の扉から投げ捨てた。 もっとも、裏口の外は崖なのだが。 ポイッ ポイッ その後も、気絶させた山賊達を意識の有無に関わらず崖下へと投げ捨てたルイン。 終始笑顔だった。 かくして、山賊の根城となっていた小屋の"掃除"は終了したのだった。 ヨナ「広ーい!!凄いわね、ユン!!」 ユン「そうだね、山小屋にしちゃ広いかな。ヨナ、手伝ってよ。」 ヨナ「はーい。」 ヨナとユンが道具を広げていく中、ハク達は隅に座るルインに近付いた。 ハク「リン、何処に行ってたんだ?」 キジャ「確かにそなたは途中からいなかったな。」 ジェハ「あと、すっごく微かだけど血の臭いがするね。」スッ シンア「リン…殺し、た…?」 大の男四人に言い寄られ、ルインは両手を挙げた。 ルイン「別、に…殴ったときに、出た、だけ…。」ギリギリギリ ジェハ「痛い痛い!!ごめんなさいもうしません!!」 腰に回されたジェハの腕を捻りながら説明する。 が、 グイッ ルイン「っ!?」 バスッ ゼノ「嘘はよくないよ、ルイン。一人やったろ?」 突如、腕を引っ張られバランスを崩したルインは、ゼノの腕の中にいた。
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