孤独のココロは

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ハク「しっかし、結局収穫は無しか…」 ユン「いつもと変わんないでしょ。ほら、雷獣も手伝う手伝う!!」 ハク「へいへい。……幻霧なんざ使いやがって、黒龍様とやらは卑怯ですねーっと。」 ルイン「……誰が、卑怯…だ…。」 「「「!!!!!!!」」」 ゼノ「ルイン!!」 突如、ハクの後ろに現れた黒い少女ルイン。 ゼノ以外が臨戦体勢をとり、少女の身体にうっすらと残る鱗を見て更に警戒を深める。 ハク「あんたが黒龍様ですかい。」 ジェハ「本当に女の子なんだね。」 ルイン「…………………手合わせ、願う…。」 ルインはクナイを取り出しながら言った。 ゼノ「黒龍の試練?」 ハク「……上等!!行くぜ!!…はぁぁぁっ!!」 ハクの降り下ろした大刀は、 ガキッ ハク「なっ!?」 ルイン「我が、腕は…白龍、…我が、身体は…黄龍…。」 ルインの左腕で、あり得ない音を立てて弾かれた。 その黒く巨大な腕はまさに、白龍の腕。 ハク「白蛇の…!!!」 キジャ「何故私の腕を…!!?はぁぁぁぁっ!!」 ルイン「んっ…!」ビュンッ そしてルインはキジャの攻撃を避け右足であり得ない高さまで跳ぶと、 ジェハ「僕の脚まで持ってるのかい!?」ビュンッ ルイン「これ、で…終わり…!」 キィンッ 漆黒の瞳でハク達四人を睨んだ。 瞬間、 ジェハ「っ!?…動けな…がはっ!!!」ドサッ キジャ「青龍の…瞳!?」 ハク「っ……おい、嘘だろ……!?」 ハク達の身体が麻痺したかの様に動かなくなった。 しかし、 シンア「……はぁっ…!!」 ザッ ルイン「痛………。」 着地する直前に、木の上から跳んだシンアがルインを斬りつけた。 ヨナ「シンア!!」 ゼノ「娘さん。大丈夫だから。」 ヨナ「でも……!!!」 駆け寄ろうとするヨナをゼノが止める。 そして、ユンが何かに気付いた。 ユン「ヨナ!!あの娘の傷…!!」 ズ… ハク「傷が…治ってやがる…。」 ジェハ「まぁ…十中八九、黄龍…だよね。」 一同は目を疑った。 ルインの傷は、徐々に消えていったのだ。 傷が完全に無くなると、ルインは歩き出し、 ルイン「我が愛し緋龍よ。貴女の矛となり盾となることを誓いましょう。」 ヨナ「………あ、えっと。」 ヨナの前に跪いた。 あまりの唐突さに、目を白黒させるヨナに、ルインは顔を上げ、 ルイン「…私、も……一緒に、旅…していい、です…か…?」 小さく微笑んだ。 ヨナ「……勿論よ!!ありがとう、黒龍!!」 ルイン「……リン。リンと、呼んで…ください。」 ジェハ「リンちゃんね。」 キジャ「リン殿…。」 シンア「リン…よろしく…。」 ハク「まぁ…姫さんが認めたからな。よろしく、リン。」 ユン「リンね。よろしく。」 ゼノ「ルイン…お帰り。」 ルイン「……ただ、いま。」 孤独のココロは、暁と共に歩む。 Fin.
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