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ゼン「なぁ、オビ。」
オビ「あ、は、はい。何ですか?主。」
ゼン「兄上を呼んできてくれないか?多分、"黒雪が帰ってきた。"で通じる。」
オビ「はぁ。わかりましたよっと。」
オビは部屋を出ていった。
………さて。
ゼン「黒雪、放してくれ。」
クロユキ「はーい。」
ゼン「白雪!!入ってこい!!」
黒雪が放すと、俺は扉の向こうに立っている白雪を呼んだ。
盗み聞きは良くないからな。
クロユキ「ふふ、白雪。盗み聞きは良くないよ。」
シラユキ「うぅ…ゼン、ごめんなさい…。姉さんが心配で…。」
ゼン「いや、俺はいいんだが……っと、姉さん!?」
この場には俺と黒雪、白雪しかいない。
ということは…
クロユキ「正解。私、白雪の実姉だよ。」
ゼン「然り気無く心を読むなよ…。」
クロユキ「顔に出てる。てなわけで、白雪もいるし、私、クラリネスに永住する事にしたから♪」
間。
ゼン「はぁぁぁぁぁ!?」
シラユキ「姉さん本当に!?」
イザナ「大歓迎だ黒雪!!今すぐ手配しよう!!」
唐突すぎるだろう!?
兄上が入ってくるのも!!出ていくのも!!
いろいろと!!
クロユキ「……イザナ!!ちょ、戻ってきてっ!!」
イザナ「何だい黒雪!?」
兄上の行動が素早すぎる。
黒雪がいるとこうも変わるものか…。
ポンポン
クロユキ「イザナも。おっきくなったね♪」
イザナ「っ//唐突に頭を撫でないでくれないか。…もう子供ではない。」
クロユキ「……そうだよね、ごめん。…じゃあ、家の手配でもしてくるよ。また今度。」
黒雪は俺の部屋から出ようと扉に手をかけた。
ゼン「っ、黒雪!!」
クロユキ「ゼン…?」
ゼン「王族命令だ!!また、旅の話、学んだこと、教えてくれないか!?"宮廷王族家庭教師"として…。」
イザナ「私からもするとしよう。黒雪、また、教えてくれ。命令だ。」
思わず引き留めて、言ってしまった王族命令。
黒雪は目を丸くした。
そして、
クロユキ「横暴だよ。」
イザナ「わかっているさ。」
クロユキ「職権乱用。」
ゼン「わかってる。」
酷い王子達だ。
と黒雪は苦笑いして、昔渡した身分証明書を取り出して首にかけた。
クロユキ「イザナ、家が手配できたら言って。それまで、白雪の所にいるから。いいよね?白雪。」
シラユキ「勿論だよ。案内するね。」
イザナ「了承した。では。」
兄上が出ていき、
クロユキ「ゼン。白雪。」
ゼン「?」
クロユキ「ただいま。」
黒と白、二色の雪は銀の国を淡く染める。
Fin.
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