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ハイネ「……ってな事があってだねー。」
クロ「…完全に目ぇ付けられただろソレ。」
ハイド「しかも気に入られたコースっスよねぇ!?」
ミソノ「お前は危機感というものをだな…!!」
あまりの危機感の無さに、その場にいた"傲慢"の主人・鉄までもが頭を抱える。
テツ「ハイネ、だったっけ?あんたすげー可愛いんだからもうちょい気を付けた方がいいぜ。」
が、その言葉は中2とは思えないほど男前なもの。
今まで仲間に女の子がいなかったためか、真昼はなぜかわたわたとしていた。
マヒル「っあー、鉄も鉄でいきなり可愛いとか言わない!!」
ヒュー「紳士たるもの自然に女性を褒められてこそじゃ!!鉄は紳士じゃのー♪」
テツ「ヒューはやっぱいつもいいこと言うぜ。」
だがしかしこの傲慢組、"傲慢"の真祖・ヒューと主人・鉄もなかなかのマイペース。
真昼は頭痛を感じ始めた。
と、そのとき。
ピロリンッ♪
マヒル「あ、メールだ。」
真昼のスマホに、1通のメールが届いた。
差出人は、
マヒル「っ、桜哉!!…皆ごめん!!ちょっと俺行ってくる!!」
クロ「お、おい待て真昼…置いてくなー…」
バタンッ
荒々しく閉められたドア。
ハイネはそれをじっと見ていた。
ハイド「ハイネ、桜哉が気になるっスか?」
ハイネ「……たぶん?」
ハイド「なら、尾行っスよ!!ね、リヒたん♪」
リヒト「うるせぇ。…だが、ハイネが気になるなら、行くぞ。」
…バタンッ
この間10秒弱。
軽く放心していた"色欲"の主人、御園は床を蹴るように立ち上がり、叫んだ。
ミソノ「ちょっと待て貴様らぁぁぁぁぁぁ!!」
マヒル「桜哉っ!!」
サクヤ「…真昼、来てくれたのか。」
マヒル「当たり前だろ!?親友なんだから。」
とある公園。
一際目立つ巨木の下に立っていた少年、桜哉は真昼に笑顔を向けた。
"親友"という真昼の言葉は自然と彼を笑顔にさせた。
自分から強引に振り払った手を強引に掴んだ"親友"の笑顔を、彼は信じていた。
マヒル「んで、話ってなんだよ?」
サクヤ「いや…お前んとこの"強欲"に新しい下位ができたって聞いてさ…。」
マヒル「あぁ、ハイネの事か…ってか情報早いな?」
クロ「……椿と面識あんだからおかしくはねぇだろ…?…にゃ、羽。」
笑いあう真昼と桜哉。
その真昼の頭に乗ったクロ(猫)の前に黒い羽が降ってきた。
ハイネ「まひるん呼んだー?」
マヒル「ハイネッ…!?お前こんな真っ昼間から外出て大丈夫なのか!?」
サクヤ「うわ、マジで翼人かよ…」
上から降ってきたハイネは、静かに着地するとふにゃりと真昼に笑いかけた。
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