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シン「行くよ、"エンド・オブ・ストーリー"!!」
ルシ「…"ロスト・パラダイス"。」
<ギャァァァァァアアア!?>
ただでさえ強烈な一撃を左右から2度も喰らい、苦痛に叫ぶドラゴン。
騎士は二人の間から飛び出すと、その剣を振り上げ、跳んだ。
騎士「やぁぁぁぁああああああっ!!!!」
<グォオオオオオオオ!!>
気合いの声と共に降り下ろされた騎士の一撃とドラゴンの意地のブレスがぶつかり合う。
ヴィク「…ッ、騎士クン!!」
リリィ「騎士さま!!負けないで!!」
ユリマル「オレだって、戦うッス!!!」
3人の放った強化魔法が、騎士を包んだ。
勇利「騎士さんに頼ってばっかりじゃ、ダメだ!!やぁぁぁあ!!」
ユリオ「騎士だけ活躍させてたまるかよ!!っらぁぁぁぁあ!!」
二人の渾身の一撃が、ドラゴンに放たれた。
騎士「…っはぁぁぁぁああああああ!!」
そして、
<ギャァァァァァアアア!!>
断末魔と共に、ドラゴンは倒れた。
もう動かないのを確認し、騎士が剣をしまう。
勇利「…あ、嘘、勝ったの…?」
騎士「うん。皆、ありがとう。」
リリィ「…やったの!!わたしたちの勝ちなの!!」
リリィの歓声を皮切りに、喜びのハグが始まった。
ハグしてされて、喜んで、皆が笑顔だった。
シン「騎ー士」ギュゥ
騎士「わぁ!?シン!?」
ルシ「フッ…」ギュ
騎士「ルシまで…!!どうしたの?」
人外二人に抱き締められ、目を白黒させる騎士。
ガシャン…
騎士「あ」
そして何の偶然か、騎士の鎧が取れた。ドラゴンとの戦いで壊れていたらしい。
だが問題はそこではない。
取れた鎧の内側、つまり騎士の胸にある双丘に勇利達の目は釘付けになった。
勇利「…え、それ、騎士さん…まさか女!?」
ヴィク「…これはちょっと予想外かな?」
ユリオ「…アホ女王よりデケェのかよ…」
驚愕する勇利達をよそに、シンは「なんだ、まだ言ってなかったのかい?」と騎士の髪留めを外した。
纏めていた白銀の長髪が風にほどけ、騎士は美女となった。
騎士「…シン、ルシ、狙った?」
ルシ「偶然だ。」
シン「女性ってバレたなら、女性らしくしないと。」
悪びれない二人をじとりと睨み、騎士は勇利達に向き直った。
騎士「俺…いや、僕は見ての通り女だよ。女に守られるの嫌う人がたまにいるからね、普段男装してるんだよ。」
リリィ「でも、騎士さまはおわかれするときにしっかりはなすよ?」
ユリマル「なんで、俺達は言わないようにしてるんス。」
騎士の改まった告白と、ミスタルシア組のカミングアウトに、ピアシィ・勇利・ユリオが驚愕の叫びをあげた。
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