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<ユーリside>
ユーリ「…………
同じ声 同じ風景に
気付けずに心は弾むのでしょう
また次の同じ未来も
新しく思えてしまうのでしょう
どうしたの?わからないよ
君の目は固く閉じて
夕焼けの色 伝う涙は
切に願う心を赤く染める
あのね、また明日も次の日も
君といられたなら嬉しすぎて
きっと私はまた繰り返す
君と明日の空を眺めるため
いつか見てた世界に出会うため……」
(マリーの架空世界/じん)
私は歌う。星空へ。
それが、私に出来る皆への……私が殺した村の皆への償いだから。
このことは誰にも、マスターにも話さない。
皆、知ったら私から離れていくから。
そう思うと、涙が頬を伝った。
何だかんだ言っても、私は妖精の尻尾の皆が大好きだから。
…………もう戻ろう。
タタタタタッ ガシッ
ユーリ「!!!!!?????」
立ち上がった私を抱き締めたのは、
ロキ「………ユーリ…!!」
ユーリ「ロキ……?」
色男のロキだった。
<ロキside>
ユーリ「ロキ……?」
僕の腕の中にいるユーリ。
僕を見上げる潤んだ琥珀色の瞳。
もう、限界だった。
昔から、彼女が何かを背負っているのは知っていた。
でも、涙を流す姿は初めてだった。
見ているだけで、何もわかってあげられない自分が嫌だった。だから、守ってあげたかった。
…………まぁ、抱き締めたのは、無意識だったけど…。
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