愛しかった日々へ

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ソフィ「……人間が、やって来たんです!!各々の手に、鋭利な武器をもって!!」 クロロ「っ…!!!!」 感情的になった彼女の爪が、尖っていく。 髪も伸び、狼の耳の様なナニカが、尻尾が、生えてきた。 ……狼、なのか?ジエチル族は。 ソフィ「私達も、必死に応戦しました!!人間を殺さないよう、加減して!!でもあちらは!!憎しみや蔑みの目で私達を殺すのがさも当たり前の様に殺していきました!!私の父も母も家族全員!!私の目の前で殺されました…っ!![お前は生き延びろ、ソフィ。]と言って!!」 クロロ「ソフィアーナ嬢……。」 ソフィ「私は逃げた!!父の言葉通り!!小さかった私は気付かれずに森を出た!!そこで、再び彼に会ったんです……カイルに……っ!!……彼は私を見て涙を流し、抱き締め、謝りました!![ごめん!!ごめんっ!!]と必死に…!!彼は私の傷に応急処置を施して私を村から出しました…!!私は逃げて逃げて逃げて逃げて!!そこで、此処の主人に見つかり、監禁されたんです…っ…!!…っふ…父様……っ。」 ………駄目だ。もう、見ていられない。 俺は泣きじゃくる彼女の腕を引き、優しく抱き締めた。 それしか、出来ないから。 ソフィ「……ク…ロロ…さん…?」 クロロ「……敬語は、もういいですから。自分を偽らないでください。俺達は貴女を救う為に来たんです。だから、もう大丈夫……。」 ソフィ「………っぅ…ぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 背中を少し擦ると、彼女はせきを切ったように泣きわめいた。 爪は引っ込んでいた。 ………決めた。 ソフィアーナ嬢は旅団に入れよう。 好きにしていいと、書いてあるからな。
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