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カウンターに俯きながら
今にも寝ちゃいます、って顔して飲みつぶれそうな彼女
高嶺 華。
黒髪に黒の上下スーツって、
就活生かよって身なりだ。
心で深く溜息をついて
ちゃっかり隣のカウンター席へ腰を下ろす
「大丈夫ですか?」
「……。」
顔をあげた彼女は頬を赤く染めて口をポカンと開けて……、
虚ろな半目。
───────きしょい─っ!?
第一声の心の叫びはそれだった。
だって、魚顔で怖かったから。。
普通、
女の人って酔ったら可愛さ倍増するもんなのに。
ぶっ。
思わず笑いが込み上げた。
なんだか…、、
可哀想で(笑
酔った彼女に近づくには思った以上に簡単で。
拍子抜け。
どんだけ飲んでいたのか分からないけど、
多分、すでに意識は遠くに飛んでいたと思う。
だって少し……、
いやいや。。
かなりしつこい位、頑なに俺を居候させるのを拒んでいたくせに、
あの夜は、突然隣に座った俺の話に不自然に耳を貸し口を開いていた。
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