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誓約書
半年間、私の家で貴方を預かります。
半年間、貴方の家でお世話になります。
高嶺華
掛川春樹
これは、俺が今日の出逢いの記念にこのお店は奢るから
その代わり、”お姉さんの名前教えて頂戴?”
って書いてもらったもの。
実際にはA4紙を半分に折ってあったから
契約書の条文を彼女は見ていない。
渡された半折の白紙を見て、奢るって言われたからか、
嬉しそうに自分の名前を記す彼女。
しかも余白に丁寧にも、
手元の醤油に右手親指をつけて母印を押してくれてね。
……なんで?(笑)
あれは相当笑ったね。
どんだけお人よしで世間知らずなんだって。
こーやって証拠の品を取ったら、
ポンッとグラスに睡眠薬を入れてやる。
「少し酔い覚ましたら?水だよ」
彼女に微笑みながら手渡して、
終了。
お持ち帰り決定。
難なく、潰れた彼女を近場のホテルに連れていく。
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何にも知らないで気持よさそうに寝てる彼女。
あまりの単純さに思わず顔を覗き込む。
この人。。
やっぱり彼女は笑えるような寝顔のまま爆睡中。
いいけど。
いいんだけどさ。
なんだかな…
イマイチ腑に落ちないんですけど。
酒回ってて睡眠薬飲まされて
知らない男にこんなとこに連れてこられて
その寝顔。
ハハッて、カラ笑い。
馬鹿だよ。
自分がここに連れてきた癖にね。
彼女の無防備さに、何故かイラっとして
軽く唇を奪ってやった。
ついでに……ボディチェックも、少々?(笑
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