プロローグ

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 『あなたは誰?』どこまでも広がる緑の草原に二人は立っていた。 そう、これが始まりだ―――――。 10年後 「雨月ー!!今日〆切だけど間に合う?」  青田葉月は妹のいる部屋にひょっこり顔を出した。肝心の妹は耳にイヤホンをしているため姉に全然気づいていない。しかも、原稿用紙に何かを書いているためこちらに向こうとしない。 葉「ハァ―。 雨月!!聞こえないの!!」  葉月は何回も雨月を呼んだが気づいていない。『仕方ない』そう思い葉月は彼女の前に紅茶の入ったペットボトルを置いた。雨月は紅茶が大好物だった。いつもこれで気づく。だが、今日は気づいていない。  葉月の妹 雨月は今売れっ子の小説家。15歳という若さでいろいろなサイトのチャンピオンみたいな感じだ。彼女の書く小説は主に恋愛系やバトル系などジャンルはさまざま。でも、小説を書くぶんおしゃれなどには全然興味がない。現に今の格好はショートパンツに犬のプリントが付いたTシャツ。黒縁のめがねになぜか右耳に蒼いピアス。同年代の子が可愛く着飾っているというのにこの雨月はTHE★てきとー女子なのだ。 雨「終わったー!!」できた小説を上に掲げイヤホンを耳から取った。 雨「あれ?お姉ちゃんいたの?」  ケロッとした顔で葉月を見ているので葉月はわらわらと怒りの炎が体から出ていた。 葉「遅すぎじゃわ!!あほ!!」    がみがみ雨月は葉月に怒られた後正座のせいで痺れた足を崩していった。 雨「もう。集中しすぎて分からなかったんだってば!!」  彼女が小説を書き始めたのは5歳。 ちょうど、家族でイタリアに行っている父親のところに行った頃ぐらいからだ。
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