第1話

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だめだ、俺に静乃は止められない。どうして俺の周りの女子はこんなやつしかいないんだ。 「そういえば貴方、プレゼントの事ばかり考えているようだけれど、ちゃんと当日の事も考えているのでしょうね?」 「当日のこと・・・・?」 そういえばまったく考えていなかった。っていうか、待ち合わせすら約束してない。 「――――だいぶボケが進行しているようね。明日からはその老体にむりやり鞭をうったりせずに大人しく親に介護された方がいいわ。それとも私が良い老人ホームでも紹介してあげましょうか?」 「なんでそうなる!嫌だよそんなの!」 なにが嬉しくて高校生が親から介護されなきゃいけないんだよ。 「あら、そんなに体に鞭を打ちたいの?貴方、生粋のドMね。」 「別に俺の体は鞭なんて打たなくても動くわ!」 結局ボケを連発する静乃。しかし、まったく当日のプランを考えていなかった。とりあえず今のうちにメールで待ち合わせ場所と時刻を伝えとくか。 俺はポケットから携帯を取り出すとクリスマスどうしますか?的な文を打ち込み送信する。 「とりあえず、プレゼントの話は置いといて、当日のプランを考えないとな」 「そうね、プレゼントは最悪そのデート中にも買えるわけだし」 おぉ、その通りだ静乃。デート中に買ってとせがまれたものをクリスマスプレゼントと称して買えば、彼女は欲しい物をゲットでき、俺はプレゼントに悩まなくてもすむ。一石二鳥じゃないか。
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