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私はね、ただただ「あなたがあなたのアイディンティティを確立させたい」だけじゃないかなって思うの。
アイディンティティって言うのは、ここでは「自分らしさの軸となるもの」と、解釈してもらえればいいかな。
要は、人から認められる自分になって、ようやく本物の自分だと思いたい、「仮装の下心」があなたの行動のエンジンになっているんじゃないかなって思うの。
私ね、昔よく歌手になりたい人たちのオーディションの審査員をやっていたんだけどね。
その時、審査しながらよく心の中で思ってたの。
「歌が本当に好きっていうより、歌うことで人から認められる自分になりたいんじゃないかな。」って。
もちろんオーディションで来る人の中には、本当に歌うことが好きで、好きだからこそ、これを自分の職業としてやっていきたいと思っている人がたくさんいたんだけど。
でも、「華やかな世界の中で人気になって、自分の存在意義を確かめたい。」と、心の内で考えている人は多かったと思う。
もちろん、本人にそんな自覚はないんだけど。
人から認めてもらうために、歌手という職業を選ぼうとしているなんて、本人は気がついていないんだけど。
当人の無意識の部分は他人の方がよく見えるから。
だから、私は露骨にそういった人の一面を感じ取りながら、審査していた。
同じ職業を選んで、「心からその仕事を楽しんでいる人」と「誰かに認められたくて、その仕事を選んだ人」って、結局行動に出るの。
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