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「何で?」
少しだけ悔しくなって、その言葉の意味を聞いてみた。
答えが俺と一緒だったらいい。
そんな願いを込めて。
裕二はゲームをやっていた手をもう一度止めて、真っ直ぐ俺を見つめ返した。
何だよ。
照れるじゃん。
なんだが耳が熱い。
「千尋と一緒にいるからに決まってるでしょ」
聞いたこともない甘い声、そして最高の笑顔を向けてきて、気のせいではなく耳が、顔が熱くなる。
「・・・っ」
絶句する。
嬉しすぎて絶句する。
俺だって思ってた。
俺だって言いたかった。
悔しい。
嬉しい。
なんて幸せ。
好きだとは、まだ言えない。
だけど、
「俺も…お前といると、」
浮ついた気持ちのせいにして、正直に伝えようか。
「雲の上にいるみたい」
真っ赤になった顔で、震える声で、やっと搾り出した俺の言葉に、裕二は心底嬉しそうに笑った。
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