-2-

10/40
前へ
/40ページ
次へ
*** 「お前、しっかりしてそうでどこかぽっかり抜けてんだよな。 いつも肝心のアイテムを何かひとつ忘れんだから。 山登り遠足の時なんか、よりによって水筒を玄関に置き忘れて来ちゃってさ。 しかもそれを誰にも言わないでガマンするもんだから、熱中症になりかけて大変なことになっただろ。 今だって、あんな寒いとこで待ってて風邪でもひいたらどうすんだよ。 お前すぐ熱出すんだからさあ、少しは考えろよ自分のこと」 「……」  今まで耳にタコができるほど何度も聞かされてきたお説教だが、すべて俊輔の言う通り。 反論の余地はない。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

658人が本棚に入れています
本棚に追加