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「いいなあ、兄弟いるってどんな感じなのかなあ。
俺も弟とか欲しかったけどなあ」
「……」
俊輔の何気ない一言に、つい彼の母親のことを連想して言葉を失う。
自分でもそれに気付いたのか、俊輔は少しぎこちなく笑顔を作り、
「……まあ、実際いたらそれはそれでウザいだろうし、毎日ケンカばっかだっただろうけどな。
俺の弟ならバカ確定だし」
と茶化すように言った。
「……てか、もうこんな時間か」
強引に話を変えながら、俊輔が頭上の時計を仰ぎ見る。
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