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「俊輔のお父さん、遅いね」
「うん。最近忙しいみたいでさ。
終電で帰ってくることも珍しくないんだよ」
「そうなんだ」
「女でも出来たのかと思ったけど、どうやらそんないい話でもないらしくて、……」
「……」
再び妙な空気になり、俊輔がため息をつく。
「……なんか、アレだな。俺、気遣わせてんな」
「そんなことないよ」
「つーかお前、聞いたんじゃねえの。
さっき酒井さんから、昨日の電話のこと」
「……」
「やっぱり……。
酒井さん口軽すぎだろ。
しかも亜優、お前は隠し事苦手すぎ」
「……ごめん」
「謝るなよ、悪いことしてないのに」
「……」
わたしの情けない顔を見て、俊輔がくすっと笑った。
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